懐かしギャルゲーレビュー

PS2中心にギャルゲーをプレイ。ネタバレしない程度に紹介。

夏色小町 一日千夏(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2003/9/25
発売元:プリンセスソフト

Purple software夏色小町」移植作品

あらすじ

23秒4。
水泳部所属の主人公・中田友也の前には、
そのタイムが大きな壁となって立ちはだかっていた。

一方、幼馴染である有賀美琴
弓道部所属の彼女は今年、大会三連覇に大手をかけている。
TVの特集で取り上げられるなど、周りからの期待も相当なようだ。

そんな彼女に、複雑な眼差しを向ける友也。


壁の向こうがわを目指して――

少年少女たちの夏が幕を開けたのであった。

感想(良かった点)

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部活をメインに据えた、青春チックなストーリー。

有賀美琴(写真左)・美樹(写真右)はともにいいキャラでした。
美樹はヒロインの中ではもっとも好みです。
明るいキャラですが、優秀な姉を持つことへのプレッシャーなど、
影の面もしっかり描けていました。
彼女のバッドエンドはかなり悲しい結末……ですが、
余韻があって話としては好きだったり。

あとは、ちょっとクセのある声もいいですね。
「ぶぅぅぅぅぅっ」とか
肝試しのときの「お姉ちゃぁぁん(怒)」で笑いそうになりました。

美琴は、袴が似合う凛とした大和撫子ですが、
ルートによっては感情が昂ぶってしまい、ヒステリック状態に。

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こ、恐い……
右のシーンとか……その顔でそんなこと言われたらゾッとしませんか?^^;
でも、美琴の変化は物語のキモとなってますし、
こういう黒い部分を見せてくれるヒロインってあまりいないので、
私的には評価したいところです。

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お兄ちゃん一筋+ビスケット中毒の中田鈴愛(すずめ)、
天然ボケと独特のキャラが愛らしいクラスメートの柊なぎさ、
神社に住む少女・御国静音、といったヒロインも登場。
この中では静音が好きですね。そんな装備で大丈夫か?^^;
美琴とのライバル関係がアツく、恋愛だけでなくバトル感も楽しめるルートでした。

あとは、エンディングを見たあとのおまけ「資料室」は面白かったです。短いですが、PC版との違いなど
ヒロインたちが開発ウラ話を暴露してくれます。

感想(気になった点)

静音ルート以外だと、弓道の設定が活かしきれていない気がしました。
弓道大会のシーンはありますが、
学校では美琴や美樹が弓を引いていることが少なく、
「部活動としての弓道」が見えてこなかったのがちょっぴり残念。

あとは、全体的に雰囲気やや地味で、
終盤のシリアス以外は印象に残りにくいかも。

お気に入り度

お気に入り度「C+」

ギャルゲーとしてはありがちで、秀でたところはありませんが、
そのぶん変なクセがないのがいいですね。
ストーリーは短めですが、私にはこのぐらいのボリュームが遊びやすいです。

はっぴ~ぶり~でぃんぐ 〜Cheerful Party〜(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2003/2/27
発売元:プリンセスソフト
Purple software「はっぴ~ぶり~でぃんぐ」移植作品

 あらすじ

両親の海外出張もあり、実質一人暮らしの主人公・高志(苗字不明^^;)

ある日彼が帰宅すると、なぜか家に見知らぬ女の子の姿。
チョコと名乗った彼女は「自分は野良犬で、行く当てがないから居候させてほしい」と
とんでもないことを言い出します。
高志はなんとその頼みを聞きいれ、チョコを家に招き入れることに。

それからというもの、高志の前に次々「自称動物っ娘」が現れ、
なんだかんだで同居することになります。

雨の中でたたずんでいた「猫の皐槻」、ずぶ濡れで座り込んでいた「金魚の雪乃
道端でお腹を空かせていた「鶴のほのか」。

女の子たちとの共同生活。うまくやっていけるのでしょうか……?

感想(良かった点)

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えっと……なんなんですか?この優しくて暖かい世界は(笑)
動物っ娘とまったり過ごす日々。ぶっちゃけそれだけのゲームですが、
ここまでハマってしまうとは……自分でもビックリです。

写真左から順に、チョコ、皐槻、雪乃、ほのか。
彼女たちとの絆は、「恋人」というより「家族」という感じ
もちろん、ギャルゲーなので最後は結ばれるのですが、
一緒に食事をしたり、テレビのチャンネル争いをしたりといった、
なにげない高志家の日常シーンのほうがメインになっています。

「女の子に囲まれてハーレム」を強調しすぎておらず、
生活感あふれるヒロインのナチュラルな姿を見せてくれることに、好感がもてました。

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私が特に好きなのは猫の皐槻。
人間へのトラウマがあり、はじめは無口な彼女ですが、
ある朝突然、様子が変化します。
「やっと今になって、高志さんが怖い人じゃないって思えるようになりました」
そして今までのお詫びにと、料理をふるまってくれます。

やられました……萌えた……^^;

心を開いた後も、やはり恐怖は完全には消えておらず、
高志が近寄りすぎるとパニックになってしまうのですが、
それを克服しようとする姿もすごいステキです。

2番目に好きなのは、ほのかサンかなぁ……?
典型的なツンデレお姉さんっぷりがナイス。一緒に雪見酒を飲みたい。
でもチョコの食いしん坊+ノリノリな元気キャラもいいし、
雪乃は「あうあう」しか話せないけど、
一生懸命自分を伝えようとしていてカワイイし……
まぁ、なんだかんだで四人とも大好きです。

感想(気になった点)

ラストはややご都合主義的な展開ですね。
しかも、どのヒロインのルートも似たようなオチになってしまいます。
私は感動できましたが、客観的にみればマイナスな点になるでしょう。

ストーリーが短め+ヒロイン個別のイベント少なめなので、
ボリュームに欠けるのも気になります。

お気に入り度

お気に入り度「A」

プレイするうち心がはっぴ~になっている自分がいました。
ひたすら平和な作品なのでストーリー性などは皆無ですが、なごみたい方はぜひ^^

プライベートナース まりあ(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2003/9/25
発売元:データム・ポリスター
※Angel Smile「プライベートナース」移植作品

 あらすじ

体の弱い主人公・力道広樹の家に、女の子が訪ねてきました。
緑色のメイド服に身を包んだまりあという少女。
彼女はなんと個人専門の看護師「プライベートナース」で、
一か月、住み込みで広樹の看護をするためにやってきた、といいます。

どうやら、多忙であまり家に帰れないでいる母親が、
広樹の体調を心配し、こっそり頼んでしまったようです。

はじめは断ろうとした広樹でしたが、まりあの
熱意に負け、
とりあえず一週間だけ、彼女を家に置くことに。
しぶしぶはじまったまりあとの生活。果たしてその行方は?

感想(良かった点)

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まりあが行うのは、おでこで熱を測ったり、お手製栄養ジュースを飲ませたり……
お世辞にも高度な看護とは言えません。
しかし心のこもった看護は、時としてどんな薬よりも効果的。
まりあの献身によって、広樹は少しずつリフレッシュしていきます。
こういった流れに意外性はありませんが、
ジャンル「ヒーリングアドベンチャー」とあるように、
「やっているプレイヤーまで癒されてもらおう」というコンセプトが
よく伝わってきました。

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私が推したいヒロインが、幼馴染の宮森彩乃です。
まりあが現れて、広樹が健康になっていくことを喜ぶ反面、
「まりあのしたことは、本当は私がしてあげたかったことなんだ」と
複雑な思いを抱くことになります。
そして彼女のルートでは、彼女なりのやり方で浩樹を支えていくのです。
まりあのように慈愛に溢れるものではないけれど、
「腐れ縁」の彩乃にしかできないこともある……なんとも健気です。
はじめは、ビジュアルがちょっとモブキャラっぽいと思ったりもしましたが^^;
なんだかんだ本作では一番好きなヒロインに。

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ちなみに、私が気に入ったセリフがこちら
「ワタシとするのはジャンケンで、あの子(まりあ)とするのは……キスなんだ!」

……っていうか、「プライベートナースまりあ」なのに彩乃の話ばかり(笑)。
でもホント、好きなんですよね……幼馴染ヒロインなんてありふれてるのに、
なんかやたら気に入ってしまいました。
声はメロンパ〇ナちゃん?と思ったら野原ひま〇りでした^^;

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また、このゲームの大きな特徴である「コミックディスプ」。
ときどき字幕入りムービーが入り、雰囲気がガラッと変わります。
他にも絵のタッチが変化したり、立ち絵が動いたりと
凝っている演出がいくつかあって面白かったです。

感想(気になった点)

ヒロインは、まりあと彩乃の他に、保健室の天使・美緒の三人。
サブキャラもあまり登場しないので、ギャルゲーとしての空気は寂しいですね。

まりあルートの後半はやや蛇足でしょうか。
急にああいう路線になると違和感が……
二部構成になっていますが、一部の最後でエンディングっぽい感じになるので、
そこをもうちょっと詳しく描きこめば、一部だけでも満足できるものになったのではないかと。

お気に入り度

お気に入り度「C+」

心も体も疲れてしまったな……という時に手に取ってみるといいかもしれません。
あなたも、まりあの看護に癒されてみませんか?

このブログについて

はじめまして。

「懐かしギャルゲーレビュー」は、PS2を中心にギャルゲーをプレイし、
レビューしていこうというブログです。

「懐かし」とか書いちゃってますが、実は私の中ではPS2が現役バリバリ状態^^;
現在進行形でも色々とプレイしており、積みゲーも溜まっています。
なので文章を書きだして、自分の頭を整理する意味でもいいかな、と思い、
ブログを立ち上げてみました。

プレイ日記的なものでなく、
1ゲーム1記事でコンパクトにまとめていこうかなと思っています。

古いゲームばかり(おまけにマイナー作品多め)なので、今からあえてプレイする方は少ないかもしれませんが、
一応ネタバレは控えめにしてあります。
中古で購入する方の参考になれば、とても嬉しいです。

てのひらを、たいように ~永久の絆~(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2004/3/25
発売元:プリンセスソフト
※Clear「てのひらを、たいように」移植作品

あらすじ

主人公の春野明生は、ぼんやりとした高校生活を送っていました。
クラスメイトの蓮見まりあからいじめを受け、かつての幼馴染の佐倉穂(みのる)や
吉野美花とも最近は口を効いていません。

そんなある日、明生は公園で夏森永久(とわ)という少女に出会います。
「アキオちゃん?」
永久は明生のことをあたかも知っている様子。
しかし、明生は永久のことを覚えていませんでした。
記憶にない少女――彼女は何者なのでしょうか……?

感想(良かった点)

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友情をテーマとした作品です。
はじめは、明生・美花・穂の間に険悪ムードが漂っていますが、
永久が架け橋となり、友だちの絆が結ばれます。
そして永久に隠されたある秘密により、物語は思わぬ方向へ……

とにかくプレイヤーを話へ引き込んでいくのが上手ですね。
美花、穂との仲直りはあくまでストーリーの取っかかりに過ぎず、
そこからどんどん物語の核心に迫っていく流れには驚かされました。

「芙蓉の樹の根元を掘り起こす夢」など、ミステリアスなシーン演出もうまく、
何があるんだろう?とついつい先が気になってしまいます。

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シリアスな場面は多めですが、
日常シーンは、明生+ヒロインでわいわい過ごす夏休みな雰囲気。
穂(写真右)美花(写真中央)永久(写真左)の三人はそれぞれ魅力的です。
私的には美花がイチオシ。ワガママだけどどこか憎めないキャラで、
育てた花壇を守るため、明生たちと奮闘するシーンがとてもよかったです。

感想(気になった点)

最後の最後で〇〇〇の力で解決するトゥルーエンドに、やや強引さを感じました。
あと、あの悪役との和解がうやむやになっているのもちょっと……。
深い心の闇を持ったキャラでしたので、
しっかり「救い」の部分も描いてくれると尚よかったのですが。

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順哉という別主人公視点のストーリーである「たいように」編は、
「てのひらを」編に比べると展開がダラダラしており、どうもパッとしません。

夏休みの課題としてさとりの伝承を調べていく構成ですが、
「たいように」で全ての謎が明らかになるのだろう、と期待していた私にとっては、
少しガッカリな内容ではありました。

ただ、ヒロインの更紗(写真左)と凛(写真右)とのやり取りは
いくつか笑えるところもありましたし、全く楽しめなかったわけではないです。

お気に入り度

お気に入り度「A」

ギャルゲーでありながら、恋愛よりも友情に重きを置いた作風は珍しいかも。
いじめなどのダークな描写は人を選びそうですが、私にはヒットでした。
興味がある方はぜひ、プレイしてみて下さい。

Lost passage ~失われた一節(PS2)~:レビュー

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機種:PS2
発売:2003/10/23
発売元:プリンセスソフト
※DEEP BLUE「Lost passage」移植作品

 あらすじ

もうやめよう――
高校生の三崎彰は、教師の綾小路育美と恋愛関係にありました。
しかしその関係は、育美に別れを切りだされたことで、
終わりを迎えてしまいます。

数年後、大学生となった彰は、教育実習のため母校のある京都へと戻ってきました。
幼馴染の宇佐観月山吹沙雪とも久々の再会を果たします。
彰と年が離れている二人は、まだ高校生。
彰に授業を教えてもらえるとを知り、胸を躍らせる二人。

そして、その教育実習を指導するのはなんと……
かつて別れた、あの綾小路育美だったのです。

「運命の再会……?」
育美の言葉とともに、教育実習ははじまったのでした。

感想(良かった点)

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基本は王道なギャルゲーですが、ルートによっては
日本史や日本神話がからむこともあり、オリジナリティを感じられます。
用語解説モードがあり、ちょっとした勉強にもなるかも。

メインヒロインは宇佐観月(写真左)と山吹沙雪(写真右)。
沙雪はストレートな妹キャラっぷりが可愛らしい。
序盤で入院してしまいますが、病気に立ち向かう姿を応援したくなります。
「月読の巫女」である観月は、ふだんは物静かですが、
内に秘めた彰ラブはものすごいものがあります(笑)。
個別ルートでは駆け落ちのような展開もありますし……いろんな意味で
インパクトのあるヒロインでしたね。

 

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私的には綾小路育美ルートが好きかな。
運命の再会からよりを戻す流れがとてもドラマチック。
彰は成人してるので、いっしょにお酒を飲みながら昔語りするシーンも。
夜の明かりの中で照らされる二人……ムード満点でした。

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彰のギャグシーンもかなり笑えます。
マヌケなBGMとともにはじまるのは、コスプレ好き+欲望むき出しトーク(笑)
とんでもない主人公ですが、私的にはツボです。

感想(気になった点)

日本史や日本神話の解説文が長すぎて、テンポが悪くなっています。
内容が専門的で、かなり力が入っていることは伝わってくるのですが、
ここまでガッツリだと読むのが疲れてしまいますね。

お気に入り度

お気に入り度「C+」

歴史関係のテキストは少し読み飛ばしてしまいましたが……
それでも楽しめた部分はありましたので、悪くはないです。
京都という舞台を活かした「和」なテイストがよく出ていて、
あまりギャルギャルしてない(?)落ち着いた感じの作品でした。

iris(イリス)(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2003/2/27
発売元:キッド

 あらすじ

中学3年の冬休み前、最後の登校日。
主人公の瀬戸原治樹は、幼馴染の末永さくらと、
ガールフレンドの御堂東雲(しののめ)に声をかけられます。
なんでも、明日から高校受験にそなえた「勉強会」がしたいとのこと。

このとき、治樹の気持ちは複雑でした。
幼馴染みといいつつも、最近はさくらとあまり話せておらず、
いつのまにか、二人の間で遠慮ムードが流れてしまっていたのです。
せっかくの勉強会で、気まずい思いをしたくはありません。

しかし悩んだ末に、治樹はこの誘いを受けることにしました。
勉強会が、さくらとの関係を変えていくきっかけになれば……
そんな期待もあったからです。

さてさて、中学最後の冬休み。
二人の仲はどうなっていくのでしょうか?

感想(良かった点)

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なんといっても、この絵がステキですよね。
私もこの愛らしいイラストに惹かれて購入。
ぬいぐるみ付き限定版しかなく、レジに持っていくのは恥ずかしかったですが(笑)。

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お話は、「冬休み中の小さな物語」といった軽めな内容。
中学最後の冬休みということで、これから受験にむけて頑張っていく
少年少女たちの姿が描かれています。

何人かヒロインがいますが、
私は末永さくら(写真右)と御堂東雲(写真左)のペアが好き。
さくらは引っ込み思案なところがあり、
治樹とは仲良くしたいけれど、自分から歩み寄っていく自信がない……
そんなビミョーな心情が出ており、何ともいじらしい感じです。

そんなさくらをリードとしていくのが、サバサバ系の東雲。
ガサツに見えますが、本当はさくらや治樹のことが心配で、
仲介役として気を遣ってくれます。
「こんな友達がいたら素敵だな」と思えるようなキャラでした。

感想(気になった点)

やはり、作風で好みが別れてしまうところですね。一般的なギャルゲーをよくプレイされる方には、このゲームは少し幼稚に思えるかもしれません。

サクッと遊べる分ストーリー的な厚みはなく、プレイ後の満足感は低め。
一部ヒロインのルートがかなり短く、
キャラの良さが十分引き出せていないのも残念です。

お気に入り度

お気に入り度「B-」

ほんわかと優しい雰囲気で、とても癒されます。
私も、プレイしながらちょっと自分の中学時代を思い出したりして、
どこか懐かしい気持ちになりました。