懐かしギャルゲーレビュー

PS2中心にギャルゲーをプレイ。ネタバレしない程度に紹介。

Threade Colors(スレッドカラーズ) ~さよならの向こう側~(PS2):レビュー

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機種:PS2
発売:2002/11/14
発売元:ディースリー・パブリッシャー
Simple2000シリーズ「THE 恋と涙と、追憶と…。」というタイトルの廉価版もあり。

 あらすじ

当麻尚登は道端で意識を失って倒れてしまい、しばらく入院することになった。

倒れる前、ガールフレンドの求塚由真と会っていたらしい。
だが、彼にはその時の記憶がない。
それに加えて、なんと母親の記憶も失っていることがわかる。

入院生活の中で、彼は記憶を取り戻すことができるのだろうか?

感想(良かった点など)

一般的なギャルゲーと違い、プロローグの選択肢でヒロインが決まります。

各ヒロインのルートはパラレルワールド扱いになっていて、
記憶喪失の真相などが大きく異なります。
繰り返しプレイでも新鮮に楽しめるでしょう。

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母親の死というショッキングな体験から、自分を守るために起きた記憶喪失。
思い出すことは、心の傷口をいじってしまうことでもあり……
苦しくても真実と向き合うべきか、辛いことは忘れるのが身のためなのかという話が
どのルートにも絡んでいます。

可愛い絵柄のわりにはけっこう暗い話。
ですが胸に迫るものがあり、作品のテーマも一貫していて素晴らしいと思います。

私のお気に入りは由真ルートですね。後半は先が読めるものの、
会うたび由真の雰囲気が変わったり、
面会に来たはずなのに、来てないと言っている食い違いがあったりと、
謎が謎を呼ぶストーリーに引きつけられます。

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話は変化球ですが、キャラの設定はわりとオーソドックス。
幼馴染の求塚由真、同居している従妹の当麻美桜、
悪友・草薙雄大の妹、草薙つばさなど、ギャルゲーのツボを押さえたヒロインたち。

ヒロインとの、コミカルなシーンが挟まれており、
話が重たくならないよう工夫されています。
絵もとても気に入りました。
特に美桜は、立ち絵の表情も豊かで可愛らしいです。

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あと、ヒロインごとに私服のパターンが6つぐらいあるのもいいですね。
例としてつばさを取り上げてみました。上のセーターっぽい服ともまた違います。
お気に入りはどの服なんでしょう?(笑)

感想(気になった点など)

話がときどき、
いかにも作ったような「ぎこちない流れ」になっている気がします。

満葉ルートで、先生の優しさが「母親に優しくできなかった代償」と疑うシーンなど、
そこまで深読みするのは不自然では?……と思ったり。
あと、つばさルートラストの種明かしなど、
せっかくの見せ場で状況説明っぽくなっているところも。

エンディングも、もうちょいすっきりとした結末がほしい。
楓ルートなどはまとまって感動したので、このような話を増やしても良かったかな。

幽霊・怪奇現象など、オカルトチックな演出も少し過剰に感じられます。

あと、BGMが怖い……ような。ちょっと不思議?
なんか「スレッドカラーズ的」としか言えないような、独特な味わい。

お気に入り度

お気に入り度「B+」

ジャンル「ココロ前向きアドベンチャー」ですが、はつらつとした明るさではなく、
「困難を乗りこえて進もう」という意味での、ココロ前向きというコンセプト。
感動するというよりは、考えさせられる話かな。
プレイしていて、こうしたメッセージがよく伝わってきました。

ストーリーの違和感はありますが、
感情移入できるシーンも多く、私にはヒットな作品ですね。

何気におまけシナリオ「うらスレ」も充実しています。
こちらは本編と異なり、思いっきりハメを外した内容も。
特に、雄大と看護師の寧子さんとの恋愛話が笑えました。
フルコンプしましたが、ヒロイン毎に異なるシナリオ+おまけシナリオと、ボリュームがあります。