懐かしギャルゲーレビュー

PS2中心にギャルゲーをプレイ。ネタバレしない程度に紹介。

片神名~喪われた因果律~(PS2):レビュー

katakamuna1
機種:PS2
発売:2004/11/25
発売元:アルケミスト

あらすじ

二泊三日の林間学校で、その事件は起こった。
主人公・雨村津雲は、彼女の結城流花と楽しいひとときを過ごしていたが、
なぜかその途中、流花が忽然と姿をくらませてしまう。

流花の手がかりを探す中で、
津雲は「神隠し神社」と呼ばれる出水神社へとたどり着く。
そこにあったのは、水晶のように輝く石。
石に触れた瞬間、津雲は意識を失ってしまった。

そして気がつくと、目の前には見知らぬ世界が広がっていた……

感想(良かった点など)

katakamuna2
katakamuna3

実際に歴史学上で存在するとされている文献「カタカムナ」が取り上げられた作品。
ジャンル的にギャルゲーというよりノベルな傾向は強いものの、
恋愛描写もけっこう含まれているので取り上げてみました。

「古代日本における、国同士の戦争」がメインとなっているだけに、
バトルシーンの表現はなかなかで、
まるで目の前で戦いが繰り広げられているかのような迫力があります。
(生々しいところもあるので、好みは別れそうですが)

イザナミの持つ強大な力・カタカムナをめぐるエピソードも、
使い方によっては戦争の道具になりえてしまう力をどう使っていくのか、など
ズッシリと重みがあるテーマが描かれており、考えさせられました。

katakamuna4
katakamuna5

ヒロインは4人。左から順に、イザナミ、流花、サチカ、ツクヨミ
私は、過去世界で最初に出会うツクヨミがお気に入りでした。
血にまみれた戦いしか知らなかった彼女が、津雲や他のヒロインたちと
打ち解け合っていく姿がとても良かったです。
物語後半では、再びツクヨミを戦いに駆り立てる出来事が……
そのとき彼女はどうするのか?なかなか見ごたえのあるシナリオでした。

katakamuna6
katakamuna7

意外に表情豊かで、照れ屋さんだっりもします。うん……可愛い(笑)。
何気に右のサチカのうるうる顔も好きかも。

感想(気になった点など)

「現代、過去、未来。時空を超えたストーリー」ということで、
タイムパラドックス要素が入っているのですが、
この仕掛けが、どうもうまく絡んでいないような気がしました。

物語序盤で、流花の正体や目的が明かされた時点ではドキドキしましたし、
イザナミを助けたことで変わってしまった歴史など、
かなり引き込まれる点もあったのですが、
終盤は強引な展開も目立ち、いまいち何を伝えたいのかよく分からない部分も。

各ヒロインのエンディングも、悲劇的な流れが一転し、
現代に戻って急に「実は運命の因果律は変わっていた」的な
形に持ってかれているようで、スッキリしません。

お気に入り度

お気に入り度「C-」

世界観はとても良く、中盤あたりまではかなり楽しめました。
それだけに、もう少し後半のストーリーが整理されていれば……
と感じた惜しい作品でした。